問題発生

「ヒューストン、問題が発生した」

打ち上げに沸いたのもつかの間、スピーカーから聞こえてきたのは操縦士の深刻な声だった。

「こちらヒューストン、一体何があった?」

「いいか、落ち着いてよく聞いてくれ。……『上は大水、下は大火事、これなーんだ?』」

管制塔は一瞬にして沈黙に包まれた。
「上が大水で…下が大火事だと!?」

「大気圏外から見て、地球上の何処かで大災害が発生しているということでしょうか…!?」

「いやわからん。シャトルはやっと安定航行に移行したばかりで、地球の出来事に構っている暇はないはずだ」

「探査シャトルの飲料水隔壁が壊れたと同時に何処かの配電盤がショートし、火災が発生したということなのでは!?」

「……あのー、ちょっといいですか」

「それもあり得るが、「大水」「大火事」という規模の船内トラブルであれば既に打つ手はない……一体何が起こってるんだ……」

「……あのーひょっとしたらこれ、『お風呂』のことじゃないですかね?」
「貴様に何がわかる! 指揮を取っているのはこの私だ! 入りたてのいち管制官が余計な口出しをするんじゃない!」

「いや、お風呂という理由は、日本では『五右衛門風呂』という…」

「まだ反論する気か! もういい! おい誰かこの”物知り博士”をつまみだせ!」

そのころシャトルの乗組員はメシの準備をしていた。

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