きんたまぶらり旅 2015-2016 [3日目]

大晦日です。それでも朝は早いのです。

今日は一日かけて紀伊本線に乗り、つまりは紀伊半島経由で伊勢まで行こうという予定なのです。

まっすぐ向かえばお昼前には着いてしまうのですが、折角1日乗り放題の青春18きっぷを使うのだし、そうそう紀伊本線に乗る事もないだろうと思い、このルートを選んだのです。

まずは泊まっていたインターネットカフェを退店し、始発で茨木から大阪へ、そして天王寺へ、そして和歌山へ。紀伊本線の入り口までやってきました。

和歌山駅で乗り換えの暇が出来たので、駅前の店で朝飯でも買おうかと思ったのですが、まだどこもやってない。かろうじて、ミスタードーナツが開いていたので滑り込み、コーヒーとグラタンパイをいただきました。駅へ戻り、売店でチューハイとつまみを買って乗り込みます。売店ではスターウォーズフェアーが開催されてしました。スターウォーズの御威光は、ここ和歌山まで届いていたのです。

さて本日は二、三度の乗り換えがあるのですが、事前に調べたところ乗換駅にはさしたる暇つぶしが出来るようではなかったので、作戦を練り直します。丁度和歌山駅のホームに紀伊本線の見どころを書いた看板があったので、これをみてどこに行くか決めました。どうやら自分の時刻表と見比べて時間的にちょうど良い「推し」の駅は紀伊勝浦みたいなので、そこで一度降りる事にしました。

紀伊勝浦にたどり着く途中の紀伊田辺でも1時間ほど乗り継ぎ時間があったので、駅から出て散策してみました。駅前には武蔵坊弁慶の像が経っていて、街中にも弁慶を模した人形などがありました。なんでもこの土地の出身「らしい」のです。そもそも実在した人物かどうかもわからないのですが、一昨日泊まったのが京都五條大橋の近くで、今日はそこで立ち集めをしていた人物の出生地に偶然来ているというのは、なんだか不思議な心持ちになりました。

列車での移動中に食べるご飯を買っておこうと、グーグルマップでお弁当屋さんを検索してしばらく歩きましたが、そこは既に閉店しておりました。肩を落として帰る途中に見つけたほっかほっか亭も年末年始休みでした。仕方がないので駅前のレンチン方式の自販機でたこ焼きを購入、駅の売店でチューハイとつまみを買って再び電車に乗りました。

しばらく乗っていると、目の前に海が広がりました。太平洋です。しばらくその眺めを観ていたのですが、ポカポカとした日差しも相まって、またお酒も回って来たのかウトウトとした気分になり、いつの間にか眠ってしまったのです。

気が付くと、紀伊勝浦は通り過ぎていました。

あわてて電車を飛び降りると、そこは那智駅でした。

時刻表を調べると、一度引き返して観光するだけの充分な時間があったので、とりあえず戻るための列車を待つ間、海浜公園へ行く事にしました。海浜公園は駅の横にある地下道をくぐってすぐなのですが、手持無沙汰なのでその前に視界に入った酒屋の自動販売機でお酒を買います。「太平洋」というダイレクトなネーミングのお酒を見つけたのでこれを買い、文字通り太平洋を眺めながら呑むことにしました。

お酒を呑みながら、今日どういう具合に伊勢まで辿り着くか、改めて時刻表とにらめっこします。ぶっちゃけ終電までに着けば良いので、まずはデッドラインを探し、しかしそれではあまりに遅いので、保険という意味でもその1本前の電車で移動する事に決め、再び那智駅から紀伊勝浦へ向かいました。

紀伊勝浦はいかにも観光地といった感じの駅前風景で、アーケードを抜けると海路でホテルへ向かう観光船が出ていました。ここには海を眺めながら入れる洞窟温泉をもつホテルもあり、また元旦は海からのご来光を楽しもうという団体でしょうか、次から次へとやってきていました。ぼくもこの洞窟温泉に入りたかったのですが、年末年始は宿泊客だけで手いっぱいなのか、日帰り入浴はサービス休止になっていたので、残念ながらあきらめました。とりあえず今日は、ネットでみつけた普通の銭湯に行こうと考えていたのですが、まだ時間が早いのでしばらく海沿いを散策する事にしました。

通りで見つけた酒屋でビールを買い、それを呑みながら歩いていると突然、庭で日向ぼっこをしていたおばあちゃんに呼び止められました。

「にいちゃん、ここまっすぐ行ったら弁天様があるで。潮が引いとったら渡れるけど、そうじゃなかったら危ないから渡らんがええで」

というアドバイスをもらい、その弁天様を探しに歩く事にしました。それはすぐに見つかって、しばらくの間ビールを呑みながら周りの光景を楽しみました。潮が引かないかなと期待していましたがそうはならず、あきらめて今来た道を駅へ戻りました。

その銭湯は駅への帰り道にあって、普段はこの町の人たちが利用しているような銭湯でした。番台にいたおばあちゃんに入浴料(320円)を払い、服を脱いで浴場に入ります。鼻を突く硫黄の匂い。温泉です。お湯加減は今回入ったお風呂の中でも一番高く、しばらく浸かってはふちに座ってまた入り、という事を繰り返しました。ぼくの他には仕事仲間とおぼしき3人が入っていて、うち一人は背中に見事な筋彫りが入っていました。タトゥーOKなところも好感がもて、ぼくがたまに入る近所の銭湯を思い出しました。

港をぐるりとまわっているといよいよ太陽が山の向こうに沈もうとしています。朝イチから移動している本日ですが、あっという間に夜を迎えようとしていると思うと、時の経つ速さを感じずにはいられません。

電車に乗るまでにまだ若干の時間があったのですが、どこかに入って食事を取る程にはありません。駅前にある海鮮食堂でお弁当を買おうとしたら売り切れで、店主からは「中で食べていきませんか?」と誘われましたが時間が無い旨伝えて断り、結局駅の売店でビールとつまみを買うというパターンになりました。伊勢勝浦からは多気まで乗り、そこから参宮線で伊勢へ向かうのですが、本日泊まるインターネットカフェはそのふたつ前の駅である宮川の方が近いのでそこで降りてから暗い夜道をiPhone頼りにインターネットカフェへ歩くのでした。

無事インターネットカフェに到着し、空を聞くとマット席は禁煙のみ1つだけ空いていて、ぼくはタバコは吸わないのですが他の人が吸っていても平気な人なのでそこに入れてもらい、いつものごとく電子機器の充電をしてから、ドリンクブースでコーヒーを淹れました。

この日は大晦日という事で、フロントに売っているインスタントのカップそばを買い、いつもはネットにしか使わないブースのモニタをテレビモードにして、「絶対に笑ってはいけない名探偵24時」を観ながらそばをすすって年越し気分を味わった後、しばしの仮眠を取ったのでした。

4日目につづく

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