あの頃17才だったロックキッズは今何歳なのか

ぼくは音楽に関しては遅咲きで、ハードロックや洋楽を聴くのが趣味になったのは高校に入ってからだった。長髪にしてバンドを組んだりもした。

今はすっかりおっさんで、見た目も普通なのだが、未だに洋楽邦楽問わずロックやメタルを聴く。最近のお気に入りはベイビーメタルとドラゴンフォースで、両者が共演したというのが今年一番嬉しかった出来事である。

こういう事を書いたり、またはカラオケでハードロックを歌ったりすると、「若いですねぇ!!」などと言われる。

いやいや、ちょっとまってくれ。

ぼくは昨日今日こういう音楽が好きになったんじゃないんだ。若い頃から、ずーっと、何十年も好きだったんだ。ぼくはそれらを聴いたり、それらが好きだとアピールする事で「若作りしよう、若く見られよう」なんて考えてるわけではないのだ。

とはいえぼく自身も自分より年上の人で見た目と違ってこういう音楽が好きな人と会ったりすると、「へぇ、若いんですねぇ」とつい思ってしまう。

そこでこんなことを調べてみた。

「17歳の頃、当時発売された有名アーティストのアルバムにガツンとやられて音楽好きになった人は今何歳なのだろうか」

「何故17歳?」という問いに対しては、「ウィンガーに聞いてくれ」とだけ答えておこう。

アルバムについては、そのアーティストにとって重要なもの(今なお名曲扱いされる曲が収録されていたり、その時期に世間で認知されるようになったりした)を選んだ。これを書いている2015年の話なので、それ以降の年に読んでいる人は適宜加算して欲しい。

折しも今年、以下に挙げられている名盤を初めて聴いた17歳のきみへ伝えたい。

そのアルバムを聴いて君が感じた衝動や感想は、かつてぼくらも同じように持っていたものなんだ。

どうか「若いですね」の一言で済ませずに、どんな音楽でもそれを好きになる、または好きでいるのに年齢なんて関係ないんだ、ということを分かって欲しい。

なお各アルバムに添えてあるコメントは誰を指したものでもまたそれが事実だとも言っていない完全な妄想なので、無視するように。

現在17歳

ベイビーメタル / BABYMETAL (2014)

誕生日を迎えていなければ17歳。ライブでのウォール・オブ・デスやサークル・モッシュにも元気に参加出来る青春真っ盛り。体力よりもチケットやグッズを買うお金を準備するのが大変で、携帯が止まったら死ぬ。

現在25歳、当時17歳

マキシマム・ザ・ホルモン / ぶっ生き返す (2007)

大学卒業組は新社会人。高卒で就職した人たちは、そろそろ社会のルールにも慣れている頃。フェスに泊りがけで行く金もやりくりすれば準備出来るが、ライブが平日開催の場合は有給や早退許可を取る方が大変。まだまだ若いので、会社の二次会カラオケで「恋のメガ☆ラバ」とか歌ってではじけても許してもらえるが、いい気になってホルモンの他の曲もバンバン入れたらいつの間にかドン引きされていた、などということもありがち。

【25歳の著名人】ダレノガレ明美、林みなほ、錦織 圭

現在33歳、当時17歳

スリップノット / Slipknot (1999)

ヴォーカルがデスボイスでもメロディーが無くても平気。早弾きソロよりリフの重さを重要視する。同窓会に行けば「まだそういうの聴いてるんだ」と言われ始め、ライブに行けば若い子をナンパできた確率が落ちていくお年頃。コピーバンド組みたくてもこんなドラム叩ける人をまず見つけられず、打ち込みで我慢する。

【33歳の著名人】安めぐみ、藤原竜也、鈴木亜美

現在37歳、当時17歳

オアシス / モーニング・グローリー

転職するにも年齢的にスキルなり実績なりなければ厳しくなってきたので、とりあえず英会話が出来るようになれればいいなと思っているが、金はあるのにそれを習いに行く時間が無い40手前。SPA!とかの記事読んでこれからの人生に不安を抱く。オアシスは今の若い子も結構カラオケで歌うのでもてはやされたりすることもあるけれど、自分が歌おうと思っていた「ドント・ルック・バック・イン・アンガー」を他の若い子に歌われると瞬時に殺意が芽生える(でもとりあえずサビは一緒に合唱する)。

【37歳の著名人】間下このみ、遠藤久美子、塙宣之

現在41歳、当時17歳

ニルヴァーナ / ネバーマインド (1991)

未だに普段着はネルシャツ着てる不惑過ぎ。世の中最悪で俺の人生は糞、と思いながらも気が付けばカート・コバーンが死んでから10年以上、未だに何も出来ていない自分に改めて嫌気がさす。大自然の癒しを求めてフジロックへキャンプセット一式揃えて行くが、最前でもみくちゃにされると体力的に辛い年齢なのでテント張った場所からのんびりと聴く。「たまにはこういう気分転換もいいなぁ」と感じるも、ふとよぎった残りの人生の空っぽさが雲一つない見渡す限りの青空に重なって涙が止まらない。

【41歳の著名人】水田わさび、草なぎ剛、有吉弘行

現在45歳、当時17歳

ガンズ・アンド・ローゼズ / アペタイト・フォー・ディストラクション (1987)

17歳当時はさんざん悪い事をしていたが、いつの間にかしつけに厳しい親になっており、「常識でわかるだろ!! 人の迷惑も考えろ!!」が叱り文句になっている。こどもが恋人を家に連れてくるたび、部屋でセックスしてるんじゃないかと気が気でない。「酒やたばこをやるんじゃないだろうか、危ない薬を手に入れるんじゃないだろうか」という想いから、外泊は認めたくない派。最近アクセルとスラッシュが仲直りしたと聞いて飛んで喜び、オリジナル・ラインナップでの来日ライブが行われた場合用のへそくりを貯めようと心に決める。

【45歳の著名人】なべやかん、諸星和己、宮藤官九郎

現在46歳、当時17歳

メタリカ / メタルマスター (1986)

会社の飲み会でバーなどに行くと、店のマスターに対し心の中で「マスター! マスター!」と意味も無く連呼する40代半ば。今でもたまにまた長髪にしたいなと思うことがあるが、そんな事は自分の役職上不可能。『まぁジェームスだって今は短髪だしな」という言い訳で自分を納得させているが、どちらかといえばラーズに近い毛髪量になってきた。

聖飢魔II / THE END OF THE CENTURY (1986)

「ザ・ベストテン」に出た聖飢魔IIにショックを受け、その年の文化祭でフルメイク、手作り衣装で「蝋人形の館」を演奏したのは墓まで持っていきたい秘密であり黒歴史。なんだかんだで1999年まで活動出来て解散した彼らを評価しており、自分の座右の銘を「継続は力なり」にしたが、それを聞く人たちはその由来を知らない。日曜日に家でゴロゴロしながらNHKの大相撲を観る際にゲストがデーモン閣下だと内心アガるが、「あ、デーモン出てる」と妻やこどもに言われると、「閣下と呼べ、このバカが!!」と未だにガチでイライラしてしまう。もちろんそんな説教が出来る訳も無く、「今年はなんか、30周年らしいな」と、「どこかで聞いた風」でトリビアを披露する。

【46歳の著名人】橋下徹、曙太郎、加藤浩次

現在50歳、当時17歳

アイアンメイデン / 魔力の封印 (1982)

NWOBHMが何の略称であるかフルに言える自分ももう50歳。来日の際はブルース・ディッキンソンが操縦するメイデン・ペイントの飛行機を羽田に観に行きたい衝動に駆られている。人目があるし変な人だと思われるのは嫌なので、エディの柄のTシャツはすっかり着れなくなってしまったが、その鬱憤を晴らすかのようにメイデン・ブランドのビール「トゥルーパー」をカクヤスに注文して大人買い。配達に来た兄ちゃんがカクヤスパーカーの下にメタルTシャツを着ていると、「お前、俺がこのビールを注文したのはな……そういうことだぞ」という抽象的な念を送りつつ代金を払う。

【50歳の著名人】チャーリー・シーン、田尻智、錦織一清

現在55歳、当時17歳

セックス・ピストルズ / 勝手にしやがれ!! (1977)

安保法案に反対している。

【55歳の著名人】三池崇史、サンプラザ中野くん、美保純

現在60歳、当時17歳

ディープ・パープル / マシンヘッド (1972)

本当に信頼できる知り合いで固められていなければ、カラオケでパープルを歌わない反面、条件が整って「ハイウェイ・スター」を歌うことになった際にはノリノリでエア・ギターも披露する。いわゆる最近のへヴィ・ロックは全く受け付けないし、誰かがB’zでも歌おうもんなら「こんなのロックじゃねえし、パクリばかりだし」と全否定する。音楽好き同士で呑んでいても、泥酔すると「リッチーは結婚して日和った」とか「あんなのロックじゃねぇ」と持論を展開する。しかしブラックモアズ・ナイトのアルバムは密かに全部購入しており、たまに「レインボーで再ツアーするリッチーのライブを観ている俺」という夢を見る。

【60歳の著名人】アグネス・チャン、明石家さんま、具志堅用高

現在63歳、当時17歳

レッド・ツェッペリン / レッド・ツェッペリン I (1969)

未だに最高のドラマーはジョン・ボーナムで、彼を超えるドラマーはこれからも出てこないと思いつつ、結局何が凄いのかという本当のところはいまいちわかっていない。未だに「ブラック・ドッグ」の間が分からない。ギブソンのレスポールを所持する程には貯金があるが、「天国への階段」はいまだに全部弾けない。孫から「誕生日プレゼントにこのギターちょうだい」と言われて孫可愛さに心が揺れて渡したものの、その後ギターのボディにピースマークやらどっかのバンドのステッカーやらをベタベタ貼られた様を発見し、つい孫を人生で初めて全力で殴る。

【63歳の著名人】松坂慶子、デビッド・ハッセルホフ、小柳ルミ子

—- ここから下 年金受給者 —-

現在65歳、当時17歳

ジミ・ヘンドリックス / アー・ユー・エクスペリエンスト? (1967)

アメリカの一部で大麻が解禁されたというニュースを聞いて心ときめく65歳。「あと30年遅く生まれたかった」と本気で悔しがりつつ、医療用大麻の国内承認という可能性に賭ける事にした。

【65歳の著名人】八代亜紀、いがらしゆみこ、和田アキ子

現在69歳、当時17歳

ビートルズ / プリーズ・プリーズ・ミー (1963)

「武道館ライブの時はドリフが前座だったんでしょ?」という質問を100万回くらいされてうんざりしている。

【69歳の著名人】堺正章、三遊亭好楽、西川きよし

現在73歳、当時17歳

チャック・ベリー / チャック・ベリー・イズ・オン・トップ (1959)

戦後の激動の中育ち、近所の人たちからは「愚連隊」と呼ばれていた。

【73歳の著名人】マイケル・ホイ、三枝成彰、ささきいさお

現在76歳、当時17歳

エルヴィス・プレスリー / エルヴィス・プレスリー登場! (1956)

“Tutti Frutti”の「ワッパパルマッバッバンブー」ってのが、未だに何か分からないし、おそらくその意味を知らずに死ぬ。日本人の男性平均寿命まであと4年、それまでは生きたいと思ってるし、振り返ってみれば結構長生き出来た。「監獄ロック」は平尾昌晃版の日本語歌詞で歌う。

【76歳の著名人】中村玉緒、山本晋也、なべおさみ

現在96歳、当時17歳

ロバートジョンソン / シングル・レコーディング期間 (1936)

おおよそ死んでいる。

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